短いお話4
「涙の量」
「あなたに見せといてあげる」
そう言うと彼女は、満杯に水が入った500mLのペットボトルを僕の前に置いてみせた。
なんだこれは?
不思議がっている僕の顔から目を離さず、彼女は言った。
「あなたと付き合って6年。私が流した涙よ」
女は怖いとは、聞いていた。
人並みに、実感もしていたつもりだった。
だけど、まさかここまでとは。
「集めていたっていうのか?涙を流すたびに」
僕が恐る恐る聞くと、彼女は「馬鹿じゃないの。そんな訳ないじゃない。これほど、あなたに泣かされたって例えよ」と笑いもせずに答えた。
僕は何度も浮気をした。
彼女に何度も仕事の八つ当たりをした。
彼女に何度も汚い言葉を投げつけた。
その度に、彼女は泣いていた。
たしかに貯まれば、これくらいの量にはなるだろう。
僕は納得するのと同時に、断られることを覚悟した。
いや、断られるどころか、ただでは済まないかもしれない。
彼女の真面目な表情に、僕は身の危険すら感じた。
逃げようと席を立とうとするが、恐怖で足が動かない。
モタモタしている僕を無視して、彼女は続ける。
「後、これも見せといてあげる。昨日あなたが言った言葉を聞いて、私が流した涙の量。きっとこれくらい」
そう言うと彼女は、満杯に入った1.5Lのペットボトルを僕の目の前に置いた。
「6年の辛さに1日の嬉しさが勝っちゃったら、結婚オッケーするしかないじゃない」
そういう、彼女はまた泣いていた。
告知です。
「笑道-黒帯-」
日時 2月5日(日)18時〜
場所 ことにパトス(地下鉄琴似駅直結)
前売 800円
札幌吉本の若手芸人がネタで対決するライブに、僕らも出演させていただきます。
ご来場お待ちしています!
コメントありがとうございます!
またよろしくお願いします!
1月の「笑道-黒帯-」を見に来てくれたあなた。
1月23日の「アップダウンWith」を見に来てくれたあなた。
ありがとうございました!
またよろしくお願いします!


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